水の注射で腫瘍を溶かしてしまった男

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    今回は、バーニー・シーゲル著『奇跡的治癒とはなにか』に書かれていた、ライト氏という体中がリンパ肉腫に侵され瀕死の状態だった男性のお話です。

     

    この人に関しては、『投影された宇宙ーホログラフィック・ユニヴァースへの招待』でマイケル・タルボットも紹介していました。

     

    いや〜、このライト氏の件はちょっとね、「奇跡の生還」とはまた異なるのですが、これぞまさしく「病は気から」というものを如実に示している話なんですよ。

     

     

     

     


    ---------------バーニー・シーゲル著『奇跡的治癒とはなにか』

     

     


    1957年に、心理学者ブルーノ・クロファー氏の患者だったライト氏は、
    リンパ肉腫の非常にすすんだ症例であった。

    できる限りの手が尽くされたが、効果はなかった。

    オレンジ大の腫瘍が、脇の下、もものつけ根、胸、腹と随所に見られた。

    脾臓と肝臓が怖ろしく肥大し、胸のリンパ管も腫れてふさがり、胸から900〜1800ccの
    ミルク状の液を毎日ぬき取らねばならなかった。

     

    酸素吸入をし、唯一の薬は鎮痛剤しかなかった。

    こういった状況にもかかわらず、ライト氏は希望を捨てなかった。

    彼はクレビオツェンという新薬の話を耳にしていたが、
    それは彼がいる病院で試される予定だった。

     

    だが、彼にはその新薬を試す資格がなかった、というのは、
    実験台になれる患者は少なくとも三ヶ月、できれば六ヶ月の生存の見込みのある者に限定されていたから。

    しかし、ライト氏があまりにも熱心に頼むので、医師たちは金曜日に一度だけその新薬を投与することにした。

    その週の月曜日までに彼は死ぬだろうからクレビオツェンは他の患者にまわせる、と考えたのだ。

    ところが病室に入った医師が驚いて次のように言った。


    「この前ライト氏を診た時、熱にうかされてあえぎながら呼吸し、ベッドに寝たきりだった。
    その彼が、今は病棟を歩きまわり、楽しげに看護婦と語り合い、
    耳を傾けてくれる人には喜びのメッセージを伝えてまわった。
    私は急いで他の患者を診て歩いた。
    悪くなっている患者はいたが、その他は変化はなし・・・・
    ライト氏だけが、めざましく回復していた。

    腫瘍のかたまりは、熱いストーブ上の雪のかたまりのように溶けて、
    この二、三日の間に、もとの大きさの二分の一になった。

    最も放射線に弱い腫瘍に連日強いX線照射を続けても、
    これほど急激によくなることは考えられなかった。

    そしてすでに明らかなことは、彼の腫瘍がもはや照射に反応しないほど、
    威力が衰えていることだ・・・・
    彼が受けた治療とは、たった一度だけ新薬を試してもらうという希望を与えられただけだったのに。

    この現象は説明を要したが、それ以上に心を開いて学ぶことの必要性を示していた。

    そこで新薬の投与は週に三回行われることになった。患者の喜びといったらなかった・・・・

    十日も経たぬうちに、彼は死の床を離れた。

    彼の病気の兆候はすべてこの短期間のうちに実際に消え去ったのである。

    信じられぬ話だが、酸素マスクを通じてやっとのことで最後の呼吸をしていた
    癌の末期患者が、らくに呼吸しているどころか、自分の飛行機に乗り、1万2000フィートの上空を飛んでも平気になったのだ。

    しかし二ヶ月も経たないうちに、その新薬を試した多くの病院で、
    何の成果も見られないという悲観的な報告が出てき始めた。

    この報告はライト氏を少なからず動揺させた。

    彼はものごとを理論的、科学的に考えるたちなので、
    この最後の頼みの綱に自信をなくし始めた。

    結局、二ヶ月だけ完全な健康状態を保ったあと、もとの状態に逆戻りし、
    悶々とした惨めな生活を送ることになった。」

     

     

    しかし、クロファー博士は事態の改善にのり出した。

    彼の言葉によると、偽医者の方法に学ぼうとしたのだ。

    彼はライト氏に、クレビオツェンは期待通り頼れる薬であるということ、
    しかし当初の輸送の際、びんの中で急激な化学変化を起こしたこと、
    新しい最高の品質の二倍も強力な薬品が、明日にも到着の予定だということ、などを話した。

     

    そのニュースは、ライト氏にとって重大な真実となり、非常に悪い状態にはあったが、
    楽天的な自分をとり戻し、再度の新薬実験を切望した。
    その薬の到着が、ニ、三日遅れることで、彼の救われたいという願望はその極に達した。

    新薬の一連の投与をすぐにも始める、と伝えると、彼はほとんど恍惚として、
    彼の信念も非常に強固なものとなった。

    大げさにもったいぶって、二倍の効力のある、到着したばかりの新薬の投与が始まったが、
    その薬とはただの水で、何も入っていなかった。

     

    すると、その結果については悲観的だった当時の我々には、まったく信じられないようなことが起こった。

    二度目の危篤状態からの回復は、一度目よりも更にドラマチックだった。

    腫瘍のかたまりは溶け、胸水は引き、歩行を始め、更に、また空を飛び始めた。

    今度は、まさしく健康を絵に描いたようだった。

    この驚異的効果に水の注射は続けられ、それから二ヶ月以上も彼は元気だった。

     

    この時、クレビオツェンに関するアメリカ医師会の最終報告が新聞に出た――
    「全国的実験の結果、クレビオツェンは癌治療に効果なしと断定」

    この記事が出て二、三日のうちに、ライト氏が最悪の状態で再入院してきた。
    彼の信念は打ち砕かれ、最後の望みもはかなく消え、二日と保たず、息を引きとった。

     

    何かを実現させるための最高の方法のひとつは、それを予言することである。
    かれこれ、二十年間、医学的には軽んじられてきながらも、
    プラシーボ効果――患者の四分の一から三分の一が、
    実際には何ら有効成分を持たない薬でも効くと信じるだけでよくなる、という事実――は、
    今では殆どの医学者に有効と認められている。

     

     

     

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    『投影された宇宙』の中で著者のマイケル・タルボットは、ライト氏のケースについて、こんな風に述べています。

     

     

    「ライト氏の話は悲しいものではあるが、そこには強力なメッセージが隠されている。
    信じまいとする自分を飛び越えて内なる治癒力を喚起するという機会に恵まれれば、
    私たちには一夜にして腫瘍を溶かし去ってしまうことさえできるのだ。」

     


    RIP、ライト氏(−人−)。楽観的なんだか悲観的なんだかわからん人ですが、この愛すべき単純な男は、人間は心のあり方次第で、あっという間に腫瘍を消し去り、また落胆のあまり死ぬことも出来るということを身を持って教えてくれました。

     

     

     



     
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